泉津は伊豆大島の北部に位置する小さな漁村集落であり、古くから海とともに生きる島民が暮らしてきた。波知加麻神社の社名は「波・知・加・麻」と水や海に関連する音を含み、海の恵みと脅威の双方を司る神として島民の信仰を集めてきたとされる。伊豆大島は三原山(活火山)を中心とする自然の厳しい環境に置かれた島であり、漁に出る者たちは神社に航海安全と豊漁を祈り続けた。昭和61年(1986)の大噴火による全島避難(23日間)を経ながらも、泉津の小さな集落に息づく島固有の信仰は帰島後も大切に守り継がれ、現代に至っている。