南溟寺は大阪府泉大津市に位置する真宗大谷派の寺院である。浄土真宗は1224年(元仁元年)に親鸞聖人が『教行信証』を著したことを立教開宗の年とし、以来「他力本願」の教えを広めてきた。大谷派(東本願寺系)は、慶長5年(1600年)ごろ本願寺が東西に分かれた際に成立した一派で、真宗本廟(東本願寺)を本山とする。泉大津はかつて和泉国に属し、漁業と綿業が盛んな土地柄であった。当寺はこの地域に根付き、町衆の菩提寺として庶民の信仰を支えてきた歴史を持つ。戦国・江戸期の社会変動を経ながらも、念仏の教えを護り続け、現在も地域住民の冠婚葬祭を担う篤信の場となっている。