南泉寺は大阪府泉南市樽井に位置する天台宗の寺院である。天台宗は延暦25年(806年)に最澄(伝教大師、767〜822)が比叡山延暦寺を拠点として開宗した。法華経を根本経典とし、円・密・禅・戒の四宗兼学という包括的な修行体系が特徴である。「南泉」という寺名は、泉南(大阪南部の和泉国)の地に建てられた寺として名付けられたものと考えられる。泉南市樽井は古来より紀伊街道に近い交通の要所であり、人と物資の往来が活発な地域であった。当寺は中世以来この地に根ざし、天台密教の修法による加持祈祷と地域住民への法務を担ってきた。比叡山延暦寺を総本山とする天台宗の教えを守りながら、現在も地域の精神的支柱として機能し…