龍正寺は、応永年間(1394〜1428年)頃に開山されたと伝わる曹洞宗の古刹である。室町時代、禅宗が下総地方へ広まる中、同寺は地域における曹洞宗の修行道場として草創されたとされる。本尊の釈迦如来坐像は鎌倉時代の様式を留めており、開山以前から当地に信仰の拠点が存在した可能性を示唆するものとして注目される。戦国期には兵乱による影響を受けたとも伝わるが、近世に入り江戸幕府の寺院政策のもとで曹洞宗寺院としての体制を整え、地域の僧侶育成と民衆教化に当たった。江戸時代には成田山新勝寺への参詣道が整備される中、同寺は成田詣での歴史的景観を構成する寺院の一つとして位置づけられた。明治期の神仏分離・廃仏毀釈の波…