雄島は松島湾に浮かぶ周囲約600メートルの小島で、9世紀初頭(平安時代初期)頃から僧侶の修行の霊場として知られていたと伝わる。慈覚大師円仁が天長年間(824〜834年)に松島を訪れ、この地に仏法を広めたとされ、雄島もその修行の場のひとつとなったと伝えられる。中世には多くの修行僧が島内の岩窟に籠って修行を行い、岩壁には無数の供養塔や梵字が刻まれた。これらの洞窟群は「瑞巌寺奥之院」と呼ばれ、島全体が聖域としての性格を帯びた。近世には松尾芭蕉が元禄2年(1689年)に奥の細道の旅で松島を訪れ、雄島にも足を運んだとされる。江戸時代を通じて松島は仙台藩伊達家の庇護のもとに置かれ、瑞巌寺とともに島の霊場と…