明治25年(1892年)に出口なおが「神懸かり」を経験したことに始まる新宗教・大本の本拠地で、綾部と亀岡の二ヶ所に聖地を持つ。出口なおと婿の出口王仁三郎によって発展した大本は、神道系の新宗教として大正・昭和初期に多くの信者を集めた。綾部の本部には「天恩郷」と呼ばれる広大な聖地が整備され、独特の宗教建築と庭園が広がる。エスペラント運動・芸術文化・農業を重視する活動は日本の精神文化史に特異な足跡を残した。昭和10年(1935年)と昭和21年(1921年)の二度の大弾圧(大本事件)で施設の多くが破壊されたが、戦後に再建された。宗教建築・石造物が独特の美的世界観を表現しており、宗教史・建築史の観点からも注目される。