『古事記』の編者として知られる太安万侶(生没年不詳〜723年)の墓。奈良市此瀬町字トンボ山の茶畑で1979年(昭和54年)、茶の木の改植作業中に偶然発見された。直径約4.5mの円墳で、木櫃の下から出土した長さ29.1cm・幅6.1cmの銅板墓誌に「左亰四條四坊従四位下勲五等太朝臣安萬侶以癸亥年七月六日卒之」と刻まれており、養老7年(723年)に没した実在の人物であることが確認された。この発見により日本最古の歴史書『古事記』の編者が伝説上の存在ではなく実在したことが証明され、日本古代史上重要な発見となった。墓誌は現在、奈良県立橿原考古学研究所附属博物館に収蔵・展示されており、2025年に国宝に指定された。