大泉寺は大阪府豊能郡能勢町山辺に位置する高野山真言宗の寺院である。真言宗は平安初期の弘仁年間(810年代)に弘法大師空海が唐から帰国して開宗し、816年(弘仁7年)に紀伊国高野山に金剛峯寺を創建した。能勢は京都と丹波を結ぶ交通の要衝であり、空海が巡錫した地との伝承も各地に残る。大泉寺の寺号「大泉」は豊かな水の恵みと仏の広大な教えを重ねた名であり、山辺の清涼な自然環境の中に根を張ってきた。中世には近隣の有力者の庇護を受けながら法灯を守り、密教の護摩供養や加持祈祷を通じて地域住民の厄難消除・五穀豊穣を祈願してきた。江戸時代には高野山末寺として組織的に管理され、地域に仏教文化を根付かせる役割を担った…