王塚古墳は福岡県嘉穂郡桂川町に位置する6世紀前半に築造された装飾古墳であり、日本を代表する装飾古墳として世界的にも知られる重要な遺跡である。全長約86メートルの前方後円墳で、石室内の壁面・天井・奥壁などに赤・黄・緑・白・黒の多色の顔料を用いて精緻な文様や絵画が描かれており、その芸術的水準の高さは国内外から高く評価されている。石室内に描かれた文様は、同心円・三角・靫(ゆき)・盾・蕨手文(わらびてもん)・騎馬像など多彩であり、古代の信仰・宇宙観・権力表象を反映していると考えられている。1934年に発見された後、壁画の保存状態が非常に良好であることが確認されたが、外気との接触による劣化を防ぐため、石室への立ち入りは厳しく制限されている。年に数回の特別公開日には限られた人数の見学が許可される。隣接する「王塚装飾古墳館」では実物大の精密な復元模型を公開しており、壁画の全体像を詳しく観察することができ…