大斎原は、熊野川・音無川・岩田川の三川が合流する中州に位置する聖地で、古来より熊野信仰の中心地として崇められてきた。創建の時期は定かでないが、熊野三山の信仰が確立した平安時代には既にこの地に社殿が営まれていたとされる。中世には上皇・法皇による熊野御幸が盛んに行われ、貴族から庶民まで広く信仰を集めた熊野詣の聖域として栄えた。近世には十二社殿が立ち並ぶ壮大な社域を形成し、熊野本宮大社の中心として機能した。しかし明治22年(1889年)8月、熊野川上流域を襲った記録的な大洪水により、社殿の大部分が濁流に流失した。辛うじて難を免れた上四社の社殿は、翌年に現在の熊野本宮大社が鎮座する高台へ遷座された。そ…