利福寺は大阪市平野区長吉出戸に所在する真宗大谷派の寺院である。真宗大谷派は東本願寺を本山とし、親鸞聖人の法灯を受け継ぐ。親鸞聖人は建仁元年(1201年)に法然上人のもとで専修念仏の教えに帰依し、浄土真宗を体系化した。大阪の長吉地区は大和川北岸の農耕地帯であり、江戸時代から近代にかけて浄土真宗の寺院が各地域に菩提寺として整備された。利福寺は地名の「利福」が示すように民衆の幸福と利益を願う信仰心と、阿弥陀仏の本願による救済の教えとが合わさった形で地域住民に受け入れられ、葬礼・年忌法要などの仏事を通じて地域社会の精神的支柱として機能してきた。