龍角寺岩屋古墳は千葉県印旛郡栄町に位置する7世紀前半に築造された方墳であり、一辺約78メートル・高さ約13メートルという規模で千葉県最大の方墳として知られる。印旛沼北岸の丘陵上に位置しており、古代の房総における最有力豪族の墓と考えられている。方墳という形式は、6世紀以降に大和王権の有力貴族の間で採用されるようになった墓制であり、本古墳の被葬者も畿内の政治文化と密接に連動した政治的地位にあったと推定される。石室は横穴式で、玄室は花崗岩の切石を積み上げた精緻な構造を持ち、技術水準の高さが窺える。「岩屋」という名称はこの巨大な石室に由来しており、古来より地域住民に神秘的な場所として崇められてきた。周辺には「房総風土記の丘」として整備された地域があり、多数の古墳が保存・公開されている。古代の下総(しもうさ)国における政治的中枢を担った首長の存在を示す重要な遺跡として、国の史跡に指定されている。千葉…