龍津寺は昭島市拝島町に所在する曹洞宗の寺院で、「ただ坐る」という只管打坐を修行の核心とする道元禅師の教えを継承する。曹洞宗は日本最大の禅宗宗派のひとつで、永平寺(福井)・總持寺(横浜)を両大本山とし、農村部を中心に全国に約1万5千の末寺を擁する。「龍津」の名は龍が水を管掌し、豊穣と恵みの源とする水龍の霊威を示すとも解され、農業と水に縁の深い多摩川沿いの地に相応しい寺号ともいえる。拝島町は宗教的に重層的な地域で、真言・天台の寺院や神社が集積するなか、曹洞宗の禅寺として龍津寺は独自の法脈を守ってきた。地域の菩提寺として葬儀・年忌・盆の供養などを担い、現在も拝島の住民の信仰生活を支えている。