貞松院は東大阪市下小阪に位置する浄土宗の寺院である。浄土宗は法然上人(1133〜1212年)が1175年(承安5年)、吉水(現在の京都市左京区)で開宗した宗派で、「南無阿弥陀仏」の称名念仏のみによる往生を説いた。法然の教えは貴族から庶民まで広く受け入れられ、鎌倉・室町時代を通じて全国へ伝播した。河内国においても各地に浄土宗寺院が建立され、当寺もその流れの中で下小阪の地に草庵が営まれたと考えられる。「貞松院」という院号は、貞節と清廉を象徴する松にちなんだと推察される。江戸時代の寺請制度下では地域住民の葬送と法事を執り行い、現代まで念仏の道場として機能し続けている。