西光寺は1533年(天文2年)に創建されたと伝わる浄土宗の寺院である。開創の詳細は明らかでないが、室町時代後期の浄土宗布教の広まりの中で、この地に念仏道場として建立されたものとされる。近世に入ると、東海道の整備にともなって藤沢宿が江ノ島・鎌倉への分岐点として繁栄し、当寺は宿場町の民衆や旅人・参詣者の精神的な拠り所として機能した。江戸時代を通じて、境内には石仏・石塔が数多く奉納され、往来する人々の信仰の厚さを示している。明治維新後の廃仏毀釈の波にも地域住民の信仰に支えられて法灯を維持し、今日に至るまで藤沢の下町に根ざした念仏信仰の場として地域社会に密着した寺院であり続けている。