前橋市堀之下町に位置する正円寺は天台宗の寺院で、「正円」の寺号は天台教学の「円融三諦(空・仮・中の三つの真理が相互に融合する)」という核心思想を体現している。天台宗は中国・天台山の智顗(538〜597)を宗祖とし、日本では最澄が805年に比叡山延暦寺を開いて以降に展開した。本寺の創建年代は不詳だが、近世以前に前橋市域の農村に天台系の道場として開かれたと考えられる。堀之下という地名は城郭や水路の堀に関連する可能性があり、往時の前橋城(厩橋城)の城下周辺に位置していたとも考えられる。現在も地域で法灯を守り続けている。