千光寺の創建は奈良時代に泰澄大師が開いたとも伝わるが、詳細は定かでない。飛騨の山中に霊場が形成され、修験道の聖地として機能してきた。江戸時代、仏師・円空(1632〜1695年)がこの地を修行場として滞在し、素朴で温かみのある独特の仏像を多数刻んだ。円空は生涯に12万体以上の仏像を刻んだとされ、千光寺には現在70体以上の円空仏が伝えられており、全国有数の円空仏所蔵寺院として知られる。境内には樹齢千年を超えるとも言われる大杉がそびえ、古代から続く山岳信仰と仏教文化が融合した場として、今日も多くの参拝者と円空仏愛好家が訪れる。