眞宗門徒寺は板橋区前野町五丁目、赤羽線(現埼京線)沿線の住宅街に位置する。「眞宗一心山昌玲寺」を本山格とする一心山昌玲寺派に属し、同派は浄土真宗の流れを汲みつつも独自の寺格を形成した小規模宗派である。前野町は近代に入って赤羽線の開通により農村から住宅地へと変貌した地区で、移り住んだ市民の信仰的需要に応える形で門徒の組織が整備されたとみられる。浄土真宗系の門徒寺は、僧侶の常住を必ずしも必要とせず、地域の門徒(檀信徒)が自主運営する形態をとることが多い。現在も念仏法要・報恩講などの行事を通じて前野町の住民コミュニティと結びついている。