拾翠寺は大阪府枚方市楠葉野田に所在する曹洞宗の禅寺である。「拾翠」とは翡翠(かわせみ)の羽根を拾うという意の雅な言葉で、中国の故事や詩に由来する風雅な名称である。曹洞宗は鎌倉時代の禅僧・道元禅師(1200〜1253年)が1227年に宋から帰国し、只管打坐(しかんたざ)による純粋な坐禅の実践を説いて開いた宗派である。道元の没後、瑩山紹瑾(1264〜1325年)が能登に総持寺を開創し教団を整備したことで曹洞宗は庶民層にも広く普及し、室町・江戸時代を通じて全国各地に末寺が形成された。楠葉野田の地域は延寿寺と隣接する静かな農村地帯であり、拾翠寺はこの地に根ざした禅の実践道場として、只管打坐の精神を守り…