天王寺は推古天皇8年(600年)頃、聖徳太子によって創建されたと伝わる天台宗の古刹である。丹波国の山間部に位置し、創建以来、天部の護国信仰を体現する寺として「天王寺」の名が定着したとされる。中世には丹波地域における天台宗の拠点のひとつとして機能し、地域の宗教・文化の中心的役割を担ったと考えられる。近世に入ると福知山城下町が整備されるなかで、城下の武家や町人からも篤い信仰を集め、病気平癒を祈る薬師如来信仰の霊場として広く知られるようになった。江戸時代を通じて宗派内の法事・研修の場としても機能し、丹波の天台宗寺院の中でその地位を維持してきた。明治の廃仏毀釈の波は丹波地域にも及んだが、当寺は地域住民…