本福寺は平安時代後期創建の真言宗御室派別格本山で、本尊の薬師如来像は淡路市重要文化財に指定されている。老朽化した本堂の建て替えに際し、住職は安藤忠雄に設計を依頼したが、当初は300余の檀家全員が反対した。転機は高名な真言宗の僧・立花大亀(当時90歳超)の一言だった。「仏教の原点であるハスの中に入るというのは最も良い姿だ」と案を絶賛した立花が檀家代表を説得し、次の会議で全員が賛成に転じた。1991年竣工の水御堂は長径40m・短径30mの楕円形蓮池を本堂の屋根に戴く鉄筋コンクリート造(地下1階・延床417㎡)。白砂利のアプローチから二枚の高いコンクリート壁の間を進み、池を垂直に二分する石段を降りる…