本妙寺は貞和元年(1345年)、日蓮宗の寺院として創建されたと伝わる。当初は現在の文京区本郷丸山付近に位置していたが、江戸時代に入り現在の豊島区巣鴨へと移転した。寺名を広く世に知らしめたのは明暦3年(1657年)に江戸を襲った大火「明暦の大火」である。この大火は市街地の大半を焼き尽くし数万人の死者を出した江戸最大の災害とされ、本妙寺が出火元であったと長く伝えられてきた。ただし近年の研究ではこの通説に疑問を呈する見解もある。江戸時代を通じて当寺は有力な日蓮宗寺院として栄え、幕末には北辰一刀流の開祖として知られる剣豪・千葉周作や、囲碁の家元制を担った本因坊歴代の墓が境内に営まれた。また江戸町奉行を…