701年、僧・行基が発見したと伝わる雲仙温泉は、九州最古級の歴史を持つ湯処とされる。奈良・平安期には修験道の霊場として栄え、「温泉山満明寺」を中心に山岳信仰の拠点となった。江戸時代に入ると、キリシタン弾圧の舞台として歴史の暗部を担うこととなる。熱湯が噴出する地獄谷(雲仙地獄)では17世紀前半、多数のキリシタンが熱湯責めによる拷問・処刑を受けたと記録されており、この地は「殉教の地」として広く知られるようになった。明治以降、外国人避暑地として整備が進み、西洋式のホテルや別荘が建設されるなど国際的なリゾート地の性格を帯びた。1934年(昭和9年)には雲仙が日本初の国立公園に指定され、以後「雲仙天草国…