東葛西は葛西地区の農漁村地帯の一角で、江戸時代には江戸城下への野菜・魚介の供給地として重要な役割を担っていた。善徳寺はこの地に創建された日蓮宗の寺院で、農漁民の日々の信仰を支えてきた。葛西地区には古くから日蓮宗の信仰が根付いており、複数の法華寺院が集落ごとに存在していた。住民たちは農作業や漁の合間に参拝し、豊作・豊漁を祈願するとともに先祖の霊を弔った。「南無妙法蓮華経」の唱題は難しい学問を必要とせず、老若男女が実践できる信仰として庶民に親しまれた。戦後の高度経済成長期に葛西地区の土地利用は大きく変貌したが、善徳寺は変わらず地域の寺院として葬祭・法要を執り行い、住民の精神的なよりどころであり続け…