善宝寺は天慶年間(938〜947年)、妙達上人によって開山されたと伝わる曹洞宗の古刹である。創建当初は天台宗系の修行道場であったとされるが、後に禅宗の法灯を継ぐこととなった。中世には庄内地方の武家・公家からの帰依を受け、寺運が整えられていったとされる。近世には庄内藩酒井家の庇護のもとで伽藍の整備が進み、海上安全・大漁祈願の「龍神様」として漁業関係者を中心に広く信仰を集めるようになった。境内の貝喰池は龍神が棲むと伝わる霊池として知られる。近代に入ると伽藍の大規模な整備が行われ、明治16年(1883年)には五重塔が建立された。この五重塔は現在、国登録有形文化財に指定されており、境内の象徴的存在とな…