和銅5年(712年)、元明天皇の勅願により草創されたと伝わる。当初は「寺名」を異にしていたとされるが、桓武天皇(在位781〜806年)が重病に倒れた際、この地の霊水を献上したところ快癒したことから「善水寺」の寺号を賜ったと伝えられる。平安時代初期には最澄がこの地で修行したとされ、天台宗の霊場として早くから重視された。中世には武家勢力の庇護を受けつつも度重なる兵火や社会的動乱に巻き込まれたとされるが、詳細な経緯は判然としない部分も多い。現存する本堂は鎌倉時代(13〜14世紀)の建立とされ、和様建築の洗練された意匠を今日に伝える傑作として、国宝に指定されている。近世以降は江戸幕府の庇護のもとで法灯…