瑞華院は南麻布五丁目に位置する浄土宗寺院で、「瑞華」とは吉祥の花、すなわち阿弥陀仏の極楽浄土に往生した魂が蓮の花として開くという浄土信仰の象徴的なイメージを体現した寺名である。浄土宗の浄土観では、往生した魂は阿弥陀仏の本願によって浄土の蓮池に宿り、やがて花開いて仏と成るとされる。この清浄で吉祥に満ちた往生の世界を「瑞華」として寺名に掲げることで、同寺は往生安楽の道場としての性格を明示してきた。南麻布は江戸時代から武家屋敷が立ち並ぶ地域であり、瑞華院はその地の武士とその家族の菩提所として機能し、念仏法要・葬儀・年忌法要を担ってきた。明治以降の変容を経た後も、同寺は念仏信仰の拠点として護持されてお…