佐藤本陣跡
神奈川県
文久3年(1863年)3月4日、14代将軍・徳川家茂は、3代将軍家光の寛永11年(1634年)以来229年ぶりとなる将軍上洛を行い、江戸を発って東海道を上った。その初日の宿所となったのが川崎宿の佐藤本陣であった。上洛の目的は孝明天皇と攘夷の期日について協議することで、当時17歳の家茂は和宮との婚姻で公武合体の象徴となっていたが、実際は朝廷の強硬攘夷要求と幕府の開国現実論との板挟みに苦悩する旅であった。この上洛は家茂4度の上洛の初回で、後に慶応2年(1866年)大坂城で病没する21歳の短い将軍生涯を象徴する政治的転機となった。佐藤本陣はその歴史的旅の第一夜の宿として、幕末史に名を刻んでいる。