神奈川県川崎市川崎区砂子の旧東海道沿いに立つ、東海道川崎宿「上の本陣」佐藤家の跡地。別名「惣左衛門本陣」と呼ばれ、門構え・玄関付き・敷地181坪の格式ある本陣建築で、幕末の文久3年(1863年)には第14代将軍徳川家茂が上洛(将軍としては229年ぶりの上洛)の途次に宿泊した記録が残る——家茂の上洛は幕末の公武合体政策の象徴的行事で、京都で孝明天皇と攘夷決行を協議するための旅であった。佐藤本陣は明治23年(1890年)に詩人・作詞家の佐藤惣之助(1890-1942年)の生家でもあり、惣之助は大正〜戦前に活躍し『赤城の子守唄』『六甲おろし』『人生の並木路』など数多くの著名歌曲の作詞を手がけた昭和を代表する詩人。本陣建物自体は明治以降に失われたが、佐藤惣之助の顕彰碑とともに跡地に案内板が設置され、川崎宿の格式と近現代文化を結ぶ貴重な史跡となっている。JR川崎駅から徒歩5分、現在はセブン-イレブン…