赤沢宿は、山梨県南巨摩郡早川町に位置する江戸時代の宿場町である。身延山久遠寺への参詣路「身延往還」沿いに発達し、慶長年間(1600年代初頭)頃から宿場としての機能を整えていったとされる。江戸時代を通じて、日蓮宗総本山である身延山久遠寺への参詣者が全国から押し寄せ、赤沢宿はその主要な中継地として繁栄した。宿坊や商家が軒を連ね、旅人に宿泊・休憩の場を提供する宿場町として最盛期を迎えたのは17〜18世紀頃とされる。明治時代以降、交通網の近代化や参詣形態の変化により宿場としての機能は衰退したが、南アルプスの山中という立地条件が逆に開発の波を遮り、江戸時代の町並みが比較的良好な状態で残された。昭和61年…