弘安4年(1281年)、日蓮聖人が身延山に入山して9年目に、亡き両親を追慕して山頂に登り、遥か故郷の安房国(現・千葉県)を望んだことが、思親閣の起源と伝わる。日蓮はその後、弘安5年(1282年)に身延山を下り、同年10月に武蔵国池上(現・東京都)にて入滅した。山頂の堂宇は日蓮の父母への孝心を顕彰する霊場として「思親閣」と呼ばれ、久遠寺の奥之院として歴代の信者に崇敬されてきた。近世以降、日蓮宗の総本山である久遠寺の隆盛とともに参詣者が増え、全国の信者にとって精神的修行の聖地として定着した。近代には山頂へのアクセスが整備され、昭和期にロープウェイが開設されたことで、より多くの参拝者が訪れるようにな…