安国寺は南北朝時代から室町時代初期にかけて、室町幕府が全国66か国に一寺一塔を建立した「安国寺利生塔」制度のもとで整備された臨済宗の寺院。3代将軍・足利義満(1358〜1408年)がこの制度を推進し、飛騨の安国寺もその一つとして建立されたとされる。重要文化財に指定された経蔵(輪蔵)は回転式の書架に一切経を収める室町時代の貴重な建築で、飛騨の仏教文化の粋を伝える。境内の「安国寺のとちの木」は国の天然記念物に指定されており、その巨木ぶりが数百年にわたる境内の歴史を物語っている。飛騨南部の禅宗文化の拠点として今日に至る名刹。