横須賀市芦名の谷戸に位置する日蓮宗の寺院で、山号は長皇山。三浦半島の西海岸沿いに点在する芦名集落の山際に静かに佇み、運慶作の阿弥陀三尊像で名高い浄楽寺と並ぶ芦名の主要な寺院の一つとして地域の信仰を支えてきた。芦名一帯は鎌倉幕府初代侍所別当・和田義盛が浄楽寺を発願した文治5年(1189年)以来、三浦半島における仏教文化の重要な拠点であり、安穏寺もまたその文脈の中で日蓮宗の法灯を継承してきた。境内は静謐な谷戸の地形を活かした奥行きある構成で、観光地化を免れた地域寺院ならではの落ち着いた雰囲気を保っている。京急逗子・葉山駅からバスで芦名方面へ、隣接する浄楽寺と合わせて参拝することで芦名の中世仏教文化を体感できる。
安穏寺は山号を長皇山と号する日蓮宗の寺院で、横須賀市芦名の谷戸に静かに法灯を継いできた地域寺院である。創建年代の詳細は明らかでないが、芦名一帯は鎌倉幕府初代侍所別当・和田義盛が文治5年(1189年)に運慶に造像を依頼して浄楽寺を発願した三浦半島仏教文化の重要拠点であり、当寺もその歴史的文脈の中で日蓮宗の寺院として地域に根付いた。中世から近世にかけては相模国の地方寺院として法灯を維持し、江戸時代には檀家制度のもとで芦名・秋谷など三浦半島西海岸の集落の人々の信仰を支えてきた。明治以降の近代を経てもなお地域寺院としての性格を保ち、観光地化されることなく静謐な雰囲気を今に伝える。隣接する浄楽寺が運慶仏…