厚木浅間神社は、元禄年間(1700年頃)に創建されたと伝わる。祭神は木花咲耶姫命であり、富士山信仰に基づく浅間神社の一社として、厚木の地から富士山を遥拝するための社として設けられたとされる。江戸時代中期以降、富士山への信仰が民衆の間に広まるなかで富士講が各地に組織され、当社もその拠点の一つとして賑わいをみせた。境内には富士塚が築かれ、実際に富士山へ登拝できない人々がこの塚を登ることで登山と同等の功徳を得ようとする風習が根付いた。明治時代に入ると神仏分離令の影響を受けながらも社は維持され、地域の氏神的な役割を担い続けた。木花咲耶姫命が安産・子育ての神として信仰されることから、近世以降は妊婦や子を…