出羽国一宮として古来より最高の社格を誇る名社で、鳥海山(標高2,236m)を御神体とし、山頂に頂上本社、麓に吹浦口ノ宮(山形県遊佐町)と蕨岡口ノ宮(にかほ市)の二つの口ノ宮を持つ独特の神社構成を持つ。主祭神の大物忌神(おおものいみのかみ)は豊穣・航海安全・国土安全の神として東北・北陸の広い地域から崇敬を集める。鳥海山は「出羽富士」とも呼ばれる美しい成層火山で、東北有数の高峰として古くから山岳信仰の対象となってきた。平安時代には噴火の度に朝廷に奉告される神聖な山として、国家的な崇敬を受けた記録が残る。夏山シーズンには多くの登山者が山頂の本社を目指して参拝し、白装束の参拝者が連なる光景は鳥海山の風物詩となっている。出羽国一宮として、秋田・山形両県にまたがる信仰圏を形成し、東北の精神文化に深く根ざした重要な神社である。