由利本荘市矢島町に鎮座する矢島八幡宮は、鳥海山登拝の矢島口への入口として知られる由緒ある神社である。鳥海山は出羽富士とも呼ばれる霊峰で、矢島口はその登山ルートのひとつとして古来より登拝者が利用してきた。矢島八幡宮はこの登拝道の守護神として信仰を集め、山頂の鳥海山大物忌神社との信仰的なつながりを持つ。矢島藩の陣屋が置かれたこの地域の歴史的な中心地として、藩政時代には領主の崇敬も受けた。境内から望む鳥海山の雄大な姿は参拝者の心を打ち、秋田の雄大な自然を象徴する景観として親しまれている。春の山開きの際には多くの登山者が安全祈願のために参拝する。