森下は江東区の西縁に位置し、両国橋(1659年架橋)・新大橋(1693年架橋)の橋詰に近い川沿いの商工業地帯として江戸時代から栄えた。両国橋周辺は興行・商業の一大拠点で、相撲や花火など江戸庶民文化の中心地でもあった。長慶寺は曹洞宗の禅院としてこの森下の地に建立され、近隣の職人・商人の菩提を弔う寺院として機能してきた。曹洞宗は道元が伝えた只管打坐の禅宗で、永平寺・總持寺の二本山を頂く。「長慶」の寺号は「長く吉祥の恵みが続く」ことを願う院号であり、地域に繁栄と平安をもたらす菩提寺としての役割を名称に込めている。関東大震災や東京大空襲の被害を乗り越えながら、現在も森下2丁目の下町に静かに法脈を守り続…