大岳院は、元和4年(1618年)に創建された曹洞宗の寺院である。創建の直接の契機となったのは、安房里見氏最後の当主・里見忠義の倉吉配流である。里見氏は戦国期に安房国(現・千葉県南部)を治めた有力大名であったが、江戸幕府との政治的対立により、慶長19年(1614年)頃に改易・所領没収の処分を受けたとされる。忠義は伯耆国倉吉へ流罪となり、元和4年(1618年)、わずか29歳でその地に没した。忠義の死に際しては8人の家臣が殉死し、境内にはその主従9名の墓が並ぶ。この史実は江戸時代後期に滝沢馬琴が著した長編読本『南総里見八犬伝』(1814〜1842年)の着想源となったとされ、作中の「八犬士」のモデルと…