内子町の八日市・護国地区は、江戸時代中期以降に木蝋(もくろう)の生産地として発展した商業地区である。18世紀後半から19世紀初頭にかけて、ハゼノキから採取した木蝋の生産・交易が隆盛し、この地に富を蓄えた商家が次々と邸宅・店舗を構えた。現在も残る白壁や黄色味を帯びた浅葱色の漆喰壁、出格子、なまこ壁などは、当時の商家建築の様式を今に伝える。明治時代に入ると石油の普及に伴い木蝋産業は衰退したが、その繁栄期に建設された建造物群が良好な状態で保存された。近代化の波の中でも大規模な都市改変を免れたことで、江戸後期から明治期の町並みが連続して残存した。1982年(昭和57年)、国の重要伝統的建造物群保存地区…