永福寺は大阪市平野区平野上町に位置する浄土真宗本願寺派(西本願寺系)の寺院である。平野上町一帯は、中世に「平野郷」と呼ばれた自治的集落の一画を形成した地域で、豊臣秀吉による大坂城築城(1583年)以降は大坂城下の南郊として経済的発展を享受した。浄土真宗本願寺派は16世紀の蓮如上人による布教を経て、江戸初期(元和元年・1615年)の東西本願寺分立後に西本願寺を総本山として独立した。本寺の創建は定かでないが、浄土真宗が大坂周辺の農村・町村に深く根付いた時代背景の中で設立されたと考えられる。以来、念仏信仰を核として地域の葬送・年忌法要を担い、住民の精神的よりどころとして今日に至る。