恵浄寺は大阪市平野区平野市町に位置する浄土真宗本願寺派(西本願寺系)の寺院である。浄土真宗本願寺派は親鸞聖人(1173〜1262年)が開いた宗派で、江戸初期(1615年)の本願寺東西分立後に西本願寺を総本山とする系統として独立した。平野市町は中世の平野郷における市場地区を起源とする地名で、商業的な歴史を持つ地域に立地する。平野郷は近世初頭に大坂の経済圏に統合されながらも、自治的な共同体の気風を江戸時代まで保ち続けた。本寺はそうした地域文化の中で門徒の求めに応じて設立され、西本願寺の教義のもとに他力念仏の信仰を地域に伝えながら、葬送・法要を担う菩提寺としての役割を果たしてきた。