永照庵は曹洞宗の庵として、荒川の地に禅の法灯を伝えてきた小寺院である。曹洞宗は鎌倉時代の僧・道元禅師(1200〜1253年)が1227年に宋から帰国して開いた禅宗の一派で、ひたすら坐禅に打ち込む「只管打坐(しかんたざ)」を修行の根本とする。道元禅師が越前(現・福井県)に永平寺を開いてのち、弟子の瑩山禅師(1268〜1325年)が加賀(現・石川県)に総持寺を建て、この二つが曹洞宗の双璧をなす大本山となった。江戸時代には幕府の保護を受け、全国各地に曹洞宗の寺院が広まった。庵(あん)という名称が示すように、永照庵は小規模ながら禅の修行道場としての性格を持ち、地域の人々の心の拠り所として静かに法灯を守…