圓通寺は曹洞宗に属し、墨田区向島に所在するとされる。向島は江戸後期に文人・俳人・歌人が多く訪れた風流の地であり、1804年開園の向島百花園や隅田川沿いの料亭・茶屋が風雅な雰囲気を醸し出していたとされる。圓通寺はこの風雅な町の一角に位置し、地域住民の精神的な拠り所として葬送・法要を担いながら、曹洞禅の只管打坐の修行を伝えてきたと伝わる。「圓通」とは仏教において「円満通達」すなわちあらゆるものに通じ融通無碍であることを意味し、観音菩薩の別称としても用いられる。この名を掲げた寺として、地域の人々の救済と心の安定を願う役割を担ってきたとされる。