長福寺は、天平12年(740年)に行基もしくはその弟子によって開かれたと伝わる真言宗の古刹である。天平年間の創建とされることから、奈良時代にまで遡る多摩地域でも有数の古い寺院のひとつとされる。中世には武蔵国南部の農村信仰の拠点として機能したと考えられるが、詳細な記録は残されていない。近世に入ると真言宗豊山派の寺院として法灯を継ぎ、江戸時代には境内に石仏群や宝篋印塔が造立され、現在もその多くが残されている。これらの石造物は、是政をはじめとする府中南部の村々における民間信仰の隆盛を今に伝えている。また近世以降、多摩八十八ヶ所霊場の札所として弘法大師信仰の巡礼路に組み込まれ、広域からの参詣者を集める…