広島市東区牛田に位置する真言宗別格本山の寺院で、広島市で唯一の国宝建造物である金堂で知られる。前身は室町時代、足利尊氏・直義兄弟が諸国に設けた安国寺利生塔の一つ「安芸安国寺」で、安芸国守護武田氏の菩提寺として栄えたが、戦国期の戦火で伽藍を焼失し武田氏も滅んだ。のち、毛利氏の外交僧で武田氏の一族でもあった安国寺恵瓊によって復興された。金堂はもと周防・長門の大名大内義隆が創建した禅宗寺院香積寺の仏殿で、天井絵の銘から天文9年(1540年)の建立とわかり、天正年間に恵瓊が当地へ移建したと伝わる。中世禅宗仏殿としては最大規模を誇り、禅宗様の典型的な構造をもつ貴重な遺構として、昭和33年(1958年)に…