福島市山口字文字摺に所在する曹洞宗の寺院で、古くは「文知摺観音」の名で知られる歌枕の地です。奈良時代の高僧・行基が刻んだとされる秘仏観音像を本尊とし、33年に一度だけ開帳されます。平安時代中期、陸奥の巡察官・源融と山口長者の娘・虎女との悲恋伝説が生まれ、「しのぶもちずり」の歌枕として古今集や小倉百人一首にも詠み込まれました。境内に残る「もちずり石」はその伝説の証として伝わります。元禄2年(1689年)には松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅でこの地を訪れ、「早苗とる手もとや昔しのぶ摺」の句を残しました。境内の多宝塔は日本最北端の遺構とされ、昭和57年に福島県重要文化財(建造物)に指定されています。境…