岩松院の創建は寛正年間(1461〜1466年)とされる曹洞宗の寺院。戦国時代には小布施の豪農・豪商の崇敬を集め、境内には豊臣秀吉に仕えた武将・福島正則(1561〜1624年)が信濃・越後を治めた相川藩主として没後に霊廟が置かれた。文化年間(19世紀初頭)には葛飾北斎が高井鴻山の招きにより小布施を繰り返し訪問し、天保年間から嘉永年間(1830〜1850年代)にかけて岩松院本堂大間の天井に「八方睨み鳳凰図」を完成させた。88〜89歳という晩年の北斎が渾身の力を込めた21畳大の大作で、見る場所を問わず鳳凰の目が合うと言われる北斎芸術の極致である。明治以降も曹洞宗の寺院として維持され、北斎と武将の歴史…