願正寺は大阪市平野区平野東に位置する真宗大谷派の寺院である。真宗大谷派は親鸞聖人(1173〜1263年)を宗祖とし、京都・東本願寺(真宗本廟)を本山とする浄土真宗の一派である。東西本願寺の分立は慶長7年(1602年)、徳川家康が本願寺の勢力抑制を目的として東本願寺の創建を後援したことに始まる。願正寺はその後の大谷派の地域布教のなかで平野に根を下ろした寺院であり、江戸時代を通じて町衆の信仰を支えてきた。平野区は大和川と道頓堀川の水運に恵まれた商業地帯であり、浄土真宗の町人信仰と相まって多くの門徒寺院が集まった地域である。