八郎潟はかつて琵琶湖に次ぐ日本第二の面積を誇った湖で、その主として君臨したとされる龍神・八郎太郎の伝説が秋田県内に広く伝承されている。八郎太郎は十和田湖の主と争い敗れた後、八郎潟に棲みついたとも語られ、水の守護神・龍神として各地で祀られてきた。船越は八郎潟と日本海をつなぐ水路「船越水道」に接する港町で、湖と海の双方に関わる漁業が盛んであった。八龍神社はその地に建つ社として、湖水の安全・豊漁・水害防除を祈る場を担ってきたと伝わる。近代に八郎潟の干拓(1957〜1977年)が進んだ後も信仰は継承され、地域の水にまつわる記憶を守り続けている。