差木地は伊豆大島の南部に位置する小さな集落であり、漁業と農業が生業の静かな島村である。林浦寺は曹洞宗の教えに基づき、「林浦」という社号が示すように豊かな自然環境に抱かれた地に創建された。島の南部の集落においては、本土との往来が限られる中で寺院が医療・教育・精神的支援の拠点となることも多く、林浦寺も差木地の人々の日常生活に深く関わってきたと伝わる。昭和61年(1986)の三原山大噴火による全島避難を経た後も、差木地の人々の帰島とともに法灯を再び灯し、曹洞宗の只管打坐と先祖供養の精神で現代においても島南部の信仰を守り続けている。